Lv.3 うまくプロジェクトを進めるための手順
🐧目次🐧
打ち合わせ~納品までの流れと考えたいこと
今回はWeb制作に特化した説明になりますが、動画編集や何か制作をする際に共通して言えることも多いのでぜひ参考にしていただけたら嬉しいです!
打ち合わせって何をするの!?
初回の打ち合わせはクライアントを知ることからはじめましょう。クライアントがどういったことにこだわっているのかだったり、業界での立ち位置なんかもわかるといいですね。
納期と予算はプロジェクトを遂行する上で最も重要です。例えば納期が現実的に難しい場合でも、予算があれば外注を検討して間に合わせることも可能かもしれません。また、逆に予算も難しい場合は、フェーズごとに分けてここまでをこの期日でといった交渉もできる場合があります。ただ、まずは現実的な納期を提示し、これくらいの納期だとクライアントの要望を叶えることができるといった話をするのがよいと思います!
役割分担はどうするのか!?
情報や素材(特に素材)はクライアントから支給いただくのか、制作側で用意するのかも事前に取り決めたいところ。制作側で用意する場合は準備分の工数も確保して見積もる必要があります。また、制作側で用意する場合は、有料素材を使用する場合はクライアントに購入いただく旨も話しておくとスムーズです。
打ち合わせの際はヒヤリングシートがあると便利!
リニューアルサイトの場合は事前に既存サイトを確認し、プロの視点から問題点を考えたり、競合他社のサイトを比較したりして改善点をこちらから提案できるようにしておくとよいでしょう。
プロジェクトチームで働くということ
チーム内での役割分担は明確にしておきましょう。言った言わなかったのようなトラブルを避けるためにも、文章に残すことも忘れないことが大事です。また、プロジェクトがうまく進んでいるか可視化できるよう、ガントチャートがあると便利です。バックログは適切にステータスや期限を指定していればわかりやすいのでいいツールですね!
また、チームで働く場合に意識したいことは、アラートは早めに出すということです。仕事が間に合わない、進捗が芳しくないときはぎりぎりまでどうにかなるかもしれないと思って一人で抱えるのは避け、その旨を早めに相談しておくことが必要です。最も大事なことはクライアントのため、プロジェクトを成功させることにあります。
タスクの要件定義、かなり重要!
発注するクライアントが必ずしもWebや動画に詳しいとは限りません。そのため、こちらから提案依頼書を用意すると双方にとって良いでしょう。クライアントは「あれをやりたい、これもやりたい」「あの会社がやっているようなことをしたい」と要望を出してくることがありますが、時間やお金が伴わないこともあります。
ターゲットについて
ターゲットについても、クライアントが叶えたいことに沿って考える必要があります。一見、より多くの人に見てもらえればよいと思うかもしれませんがそうではありません。例えば、ベビー用品を販売している会社のホームページのが、色は黒が基調で白や高級感のあるテキストカラー、さらにフォントも明朝体だったらどうでしょうか?
参考:
このテイストでベビー用品を販売する会社だったら、サイトを訪問するエンドユーザーもベビー用品だとわかりづらいですし、離脱にもつながります。そうなってしまうと本来の目的が達成できなくなってしまいます。
反対に、ベビー用品を取り扱うサイトを見てみると、全体的にパステルカラーや明るめの色づかいに、ポップなあしらいやゴシック体のフォントが使われていることがわかります。
参考:
つまり、届けたいターゲットを絞るということはクライアントにとっても、制作側にとっても重要なことなのです。
誰に何をどう見せるのか考えるために、ペルソナを決めるとよいでしょう。ペルソナとは、年齢や居住地、仕事など架空の人物像のことです。
仮に下記人物を想定して、基礎化粧品(オールインワンジェル)を販売したいとします。
名前:鈴木美里
年齢:35歳、既婚、3歳と1歳の子どもがいる
仕事:事務職
居住地:埼玉県
よく使用するSNS:インスタグラム
小さなお子さんがいるため、スキンケアの時間も短縮したいですが、年齢的にもモノは妥協したくないと想定します。このようなユーザーを対象にした場合、潤い感があったり少し高級感があるといいかもしれません。
こちらのLPを参考に考えてみましょう。
- LPに鈴木さんと同じ年代の女性の画像を入れることで、ターゲット像を自分に投影しやすくなる
⇒ここで10代の若い女性だったり、高齢の女性の画像があるとターゲットからずれていると感じて離脱する確率は高いでしょう
- ジェルのテクスチャーがわかるようなデザインをFVに入れることで、ジェルを探しているユーザーの離脱を防ぐことにつながる
⇒FVはかなり重要なポイントです。最初に目に入るところなので、一発でユーザーに伝わるようなデザインを心掛けましょう。
- 落ち着いたカラーで、ターゲット層と商品のイメージを結び付けている
⇒ピンクのかわいらしい色遣いだと30代の大人の女性には合わないかもしれませんね。また、ある程度高級感もあった方が「時短したいけど質は良いものを」と考えている鈴木さんにはピッタリでしょう。
若い女性向け化粧品のサイトを見てみましょう。
若い女性向けでかわいい・リーズナブル・高品質をベースにしているブランドのため、ピンクであしらいもかわいいデザインになっていますね。
また、鈴木さんはインスタグラムのユーザーであることから、インスタグラムの運用をすることで目に付く機会が多くなるでしょう。インスタグラム上で検索をかけて気になるものを調べる方も増えています。公式サイトへ誘導するURLもしっかり掲載して、誘導できるとよいでしょう。
このように、ターゲットをしっかり絞ってそのターゲットに沿ったモノづくりをすることは効果に結び付きやすく、有効であることがわかります。
無料のやり取りはない!
見積は単価計算と工数計算がありますが、一般的には工数計算が用いられています。なぜなら、単価計算だと案件の工程によってばらつきが発生するため、その案件に沿った見積を都度行った方が双方にとって乖離が少ないためです。
ついつい忘れがちなのが打ち合わせややり取りなどのコミュニケーションのコストです。制作物をただ作るだけではなく、ヒヤリングや修正、こちらで準備するものがあればその確認など、多くの工程でやり取りが発生する可能性があります。この部分の見積はあらかじめしっかり見積もっておきましょう。制作物に対しての工数ではないため、後からの請求になるとあまりいい印象を持たれません。
いざ制作!・・・の前に全体像をざっくり落とし込もう!
Webサイトの場合でまず考えてみると、いざ案件を進めるとなった場合に必要なのはサイトマップを作成することです。これによってサイト全体を把握することができます。
サイトマップを知らない方は下記をご覧ください!
続いてワイヤーフレームを作成します。これは枠と線だけのページの設計図で、本格的なデザインに入る前により完成形に近づけておき、クライアントとすり合わせることでデザインや全体の工数を削減します。量産ページ以外は全ページ用意しておくことをお勧めします。また、デザインは後から対応するため、工数削減のためにもデザイン要素をつけないことが大事です。
イメージについてはこちらをご覧ください!
ワイヤーフレームとは何か?webサイト制作に重要なページ設計図を理解しよう! | なんでものびるWEB
おおまかな全体の構成を把握してすり合わせながら制作することで工数を削減できるということは動画編集にもつながることだと思います。
ヒューマンインタフェースの理解
サイトや動画を見るのは基本的に私たち人間です。そのため、ヒューマンインターフェースに基づいた基本ルールを徹底することはモノづくりの基本となります。
このサイトでは、立体感のつけ方やアニメーションの動きを確認することができます
・「Human Interface Guidelines」
このサイトではヒューマンインタフェースの基本を知ることができます。ヒューマンインタフェースを意識しているかどうかで比較しているので、いかに重要かということが簡単にわかります。
ユーザーインターフェイスのデザインのヒント - Apple Developer
デザインはある程度均一化の傾向があるため、ベースデザインから離れたものは避けた方がよいでしょう。SPサイズになるとヘッダーはハンバーガーメニューになり、フッターは追従したり、バーガー内に含まれたり、リンクがあるときは青色のテキストリンクにするとわかりやすかったり・・・例えばSPのデザインがPCとほぼ同じだった場合、文字が小さくて見づらい印象を受けます。テキストリンクが緑だと、遷移先があると気づいてもらえない可能性があるでしょう。このように、ある程度主流になっているベースのデザインは取り入れることが大切です。
また、予算が許す限りにはなりますが依頼内容によっては外注で頼んだ方がクオリティやスピードが速く済む場合があるので積極的に検討してみるのもよいでしょう。
損害は押さえておくに越したことはない!
デザインやコーディングへと工程が進むにつれて、修正ややり直しの損害は大きくなります。例えば、このデザインで通っていたけれどコーディングの段階で「やっぱりこういうデザインに変えてほしい」などの要望があると、バナーなどの修正ならまだ差し替えのみで済むため対応できる可能性がありますがレイアウトの変更となると大幅な修正になるため難しくなります。そのため、「デザインの変更をご希望の場合は〇日までにご連絡ください」など、細かく区切っておくとよいと思います。この日までに修正をしないと間に合わないといったように、スケジュール感のすり合わせはしっかり行いたいですね。これは動画編集にも言えることで、スケジュールの線を引いて対応していくことは、制作を進めるにあたって意識しておきたいところです。
※納期と工数の面で難しくなるため、どちらも延長するのであれば対応できる可能性は高くなります。
修正がないことはないと思え!
「必ず間違いはあると思って確認すること」
これは私がディレクターとして校正に入るときに言われた言葉です。実際、間違いは多く見られます。依頼書の時点で間違えているもの、デザインやコーディングで間違えているもの・・・間違いは起こるという前提のもの、可能であれば多くの目でチェックすることを意識するとよいでしょう。特にWebサイトだとブラウザや端末、(ブラウザはブラウザ幅の可変領域も含めて)実機での検証も重要です。目視でダラダラ確認するだけではきちんとしたチェックはできないので、抜け漏れを防ぐためにも事前に検収シートを用意しておくとよいです。
納品したら終わり、じゃない!
納品することは確かに一番の目標ですが、印刷物と違ってメディアは常に進化し続けます。ただ作って終わりではなく、今後の改修も見据えた制作をするということは常に考えたいものです。この部分を考慮して案件に取り組むことで、継続してお仕事をいただける場合もあるので信頼を築き上げるためにも意識したいですね。
サイト公開後や動画納品後もクライアントに相談ごとがないかヒヤリングしたり、さらなる改善点を提案したりと気に掛けておくと次につながる可能性も広がります!
本日の学習部屋はここまで!
今回は主にWebサイトの納品までの流れで考えたいことについて書いてみました。Webサイト制作で経験したことも、考え方として動画編集に生かせる部分も多くあるんじゃないかと思うので、実際の勉強や受注した際にも心掛けたいと思います。
お疲れさまでした!